平成5年度 研究報告 大分県別府産業工芸試験所
8。CG
をこよる工芸品表現技法の研究
仙ノマッピングによる編縫.立体の表現エー
別府産業工芸試験所 佐藤幸志郎
要 旨
編組製品の開発効率を高めるために、リアリティのある編組立体物をコンピュータ傘ダラッフィックス(以下、
CG)により表現する。既存の立体CGソフトウエアを使用し、CG技術におけるマッピング手法の可能性を探り、少
ない部品数によってリアリティのある編組製品が表現できる効率的な方法について検討する。
仁 緒 言
竹、藤、葛等を使って製作される編組(へんそ)製品
は、大量の細長い部材を編み組みすることによって形作
られている。この編組製品をCGにより表現するには、
大きく二通りの方法が考えられる。
一つは部材一本一本の形や位置を忠実に設定すること
である。この方法は、非常にリアリティのある結果を得
ることができるはずであるが、現状の工業製品開発を主
体に設計されているCAD◎ CGソフトウエアの形態入力
方法では、編組製品に見られる数多くの部材の重なりや
部材の凹凸を正確に入力することばほとんど不可能であ
る。また、頗こに入力できたとしても部品数が膨大になる
ため現状のパーソナル級コンビュ】タの能力ではレンダ
リソグ (物体の他に光源を設定しぅ物体への効果をシミュ
レートする)計算に非常な時間が掛かる事が予想され、
効率的な商品開発のためには役に立たないであろう。
もう一つの方法は「マッピング」である。これは製品
の形態と表面のパターンを別々に決定する方法である。
凹凸の無いフラットな製品の形態に、別に作成された二
次元の平面画像を張り込んでいる。この方法は部品数が
少ないため、効率的な形態入力とパh仙ソナル㊤コンビニ叩 タでも実ノ郡こ耐えるスピ州ドのレンダリソグ計算が可能
であるが、平面画像の単なるマノビングだがでは得られ
る結果が平面的なリアリティのない画像になってLまう。
以下の項目でほ斑存の烹漆こここ;ソフトウニ“ アを麓′ 稲しノ、
上記のマッピソダ手法の可能性を採妄プ。少ない部品数に
よってリアリティのある編縫製品が表現できる効率的な
方法について検討していきたい。
み」、「八つ冒編み」といった部材の間隔の閃いている
ものに分けられる。編組製品をリアルに表現するための
方法として考えられるのはマッピソグ手法の中の「凹凸
のマッピング」である。これは陰影の効果によって、あ
たかも物体表面に凹凸があるかのように擬似的に表現す
る方法である。上記のような部材の間隔の詰まった編組
の部材の微妙な凹凸や重なりを表現するためにこの方法
を使用し、その効果を確認する。さらに、部材の間隔の
開いている窮鼠については、「凹凸のマッピング」に加
えて、「透明度のマッピソグ」を併せて使用し、その効
果を確認する事とする。
①「凹凸マッピソグ」
今回使用Lたソフトウエアほ、白色100%から黒色100
%までの256段階の階調を待った画像を製品表面に張り
付∈ナて掬 白色100%が凸、黒色100%が凹となる陰影を物
体に与える事ができる。そこで、効果を確認するために
例として「網代(あじろ)編み」を取り上げ、表面パタ叫
ソのためのカラー再郵象(図ユ)とそれに位置的に正確に 対畠志する凹凸のマッピソグのためのグレー画像(図2)
を用意し、様々なパラメ… タ… の元で画像を計算させ、
期待通りの結束(囲3)を得ることが出来た。
2.方 法
編酪製品には、「ござ目編み」、「網代(あじろ)編み」
といった部材の間隔の詰まっているものと、「六つ冒編
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平成5年度 研究報告 大分県別府産業工芸試験所
3.結果及び考察
上記のデータを元に、様々な立体的な編組パターンを
CGソフトウエアで作成した(図8、9、10)。
このように、全体が一部分のパターソでのくり返しで
できるものについては、どのようなパターンでもシミュ
レートできる事が確認できた。また、部分的に編み目の
変わっていく編組製品についても、編み目の変わり目ご
とにパーツに分解してマッピングする事によりある程度
のシミュレートは可能になると考えられる。
以上の事から工業製品向けに開発されている立体CG
ソフトウエアも編組製品のような工芸品の開発に十分役
立てられる事が確認できた。しかし、この手法は製品形
態と編組パターソを別々に作成することから、極端にい
えば実際には実現不可能な編み目や形態の製品を作って
しまう恐れがある。ある程度編組技術に習熟したもので
ないと効率的な製品開発に役立てる事は困難であり、今
後の課額として残される事になった。 図3.凹凸のマッピンゲ
②「透明度のマッピング」
上記「凹凸マッピソグ」と同様にグレー画像のマッピ
ソグにより、白色100%が完全な透明、黒色100%が完全
な不透明となるような、部分的な透明感を与える事がで
きる。効果を確認するために例として「六つ目編み」を
取り上げ、表面パターソのためのカラー画像(図4)、
凹凸のマッピングのためのグレー画像(図5)に加えて、
編組の部材問の隙間を透明にするために部分的な透明度
のマッピソグのためのグレー画像(図6)を用意し、同
様に円筒形の物体に探聞なく繰り返してマッピングした。
これもパラメータを様々に変更することにより期待通り
の画像を得ることが出来た。(図7)
図8.あぜござヨ
国ヰ. 鼠5. 囲6.
六つ日カラー画像 六つ日グレー画像1六つ冒グレー画像2
園9∴連続桝凝脛
図ア.透明度のマッピンゲ
平成5年度 研究報告 大分県別府産業工芸試験所
図10,∧つ日
謝 辞
この研究は青森県工業試験場との共同研究及び試験場
での研修受け入れにより実現しました。素晴らしい鶴器
と設備を自由に使用できるよう受け入れてくださった青
森県工場試験場の伊崎場長並びに試験場の皆様、特にお
忙しい中機器や設備のみならず技術等の面を忍耐強くバッ
クアップして下さった九戸部長を始めとする漆工部の方々
の協力がなければとてもまとめあげる事ができなかった
事を深謝を込めて申し添えます。
共同研究者:青森県工業試験場・漆工部
技師 石川善朗